中外陶園という企業は、全国の土産物屋用の招き猫から招き猫好きに向けた製品を製作。
さらには招き猫ミュージアム、イベントまで手がける日本の招き猫会に必須の企業です。
斬新、現代的、未来的、とにかく今までにない招き猫です。
この感動するほど美しい曲線美に辿り着くまで、どれだけの試作を繰り返したのでしょうか。
色は釉薬の化学反応によって彩色されており、とても良い質感です。
他の色は釉薬を使わない単色が何色かあり、これがまた綺麗な発色で魅力的です。
飾るだけでおしゃれな部屋になりそうな猫ちゃん。高さ27cmの大サイズもあります。
作者の渡辺石芳さんは島根県で長浜人形を学び、神奈川県に移り大山土人形を製作。
現在は福島県いわき市に移住しているようです。
スタンダードな色彩と造形の中、印象的なたれ目。
この目を見ただけで大山土人形とわかりますし、記憶にも強く残る目です。
また、眉毛が三本描かれており、同じ色のヒゲ三本とまとまりのある仕上がりです。
たれ目のせいか、甘え上手な表情の招き猫です。
願いを聞いてあげたくなってしまう雰囲気で、より幸運を招いてくれそうです。
今回は招いていない猫だけど紹介したい「花巻人形工房」の花巻人形です。
花巻人形コレクターの菊池正樹さんが後継者不足を心配し、ご自身で制作を始めました。
花巻市の「平賀工芸社」とはまた違う花巻人形となります。
菊池さんとは日本郷土玩具の会で一緒なので直接作品について伺いました。
まず、この猫ちゃんはかなり初期の作品とのこと。
僕が気に入っている黒い大きな丸い目は、初期の頃だからこその表現だそうです。
鯛が色褪せている点を自ら指摘して、現在は顔料を増やして改良を重ねたと教えていただきました。
この猫ちゃん、菊池さんと出会うずっと前に購入した作品でした。
時を経て知り合いになり、話を直接聞けるというのは不思議な繋がりと感じます。
